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TOKYO SHIGOTO WAGON REPORTトーキョー・シゴト・ワゴン 実施レポート

第29回 働きやすい環境・制度を自分たちで作っていく企業特集

1社目 株式会社スピードリンクジャパン/16名参加

 システムの企画・設計・開発・運用を手掛けるスピードリンクジャパンは、2004年の設立以降競合ひしめくIT業界で急成長を遂げる会社です。現在では社会人向けのITスクールや子ども向けのプログラミング教室といった教育事業にも参入し、市場拡大を図っています。今回は渋谷区道玄坂にある本社を訪問し、社員の方々のお話を聞くほか、プログラミング体験もさせてもらいました。

社員の方々と記念撮影 社員の方々と記念撮影

ツアー内容

社員の方のお話
 ツアーは、人事などを担当する山田菜々絵さんのお話からスタート。まずは会社概要を説明していただきました。

 「当社は2004年設立のまだまだ若い会社で、在籍している社員も若く、平均年齢は28歳です。システムインテグレーション事業といってもピンとこないかもしれませんが、例えば、皆さんも使ったことがあるかもしれない国内最大級のインターネットショッピングサイトの構築などを手掛けています」

 スピードリンクジャパンの舵取りをする西田祥代表は6人の子どもの父親。それだけに教育事業にも熱心に取り組んでいるのだといいます。

 「IT技術は今やなくてはならないものになっていますが、技術者を育てるIT教育の整備は全く追い付いていない状況で、学校がやらないのなら当社でやろうということで、子ども向けのプログラミング教室『アントレキッズ』を開校しました」

 同教室では小学1年生~6年生を対象に、タイピングといった基礎から、子ども向けプログラム言語「Scratch」を使ったプログラミング学習など、楽しみながらエンジニアスキルを身に付けられるカリキュラムを用意。さらに、アプリやゲーム構築などができるUnityやホームページ作成ができるPHPなどを学べる、中学1年生~高校3年生対象の『アントレカレッジ』も運営しているといいます。

 「IT業界の人材不足は長年の課題となっているのですが、打開の道は険しく、未経験でも積極的に採用している企業が少なくありません。そうした企業や未経験の方向けに『スピードリンクアカデミー』という大人向けのITスクール事業も展開しています。ここでは、社会で必要なヒューマンスキルからPHPやJavaといったプログラミングスキルを約2か月間かけてみっちり指導します」

 教育事業を推し進めているだけに、社内教育も充実しているといいます。

 「新しく入った社員は、まずはスピードリンクアカデミーと同じカリキュラムを受講します。それ以降も半年に1回、自分のキャリアステップについてとことん話し合う面談も設けています。また、モチベーションを維持するために『ジブン仕様書』という制度も導入しています」

 実績に合わせて後から評価をするのが一般的ですが、ジブン仕様書は「これからの半年間でこれが達成できたら、これぐらい給料が上がる」などと、あらかじめ目標と達成できたときの報酬を決めておく制度。ミッションと報酬が明確化されたことで、会社も社員も納得して仕事に取り組めるといいます。

 「ほかにも幹部社員を社員たちによる投票で決める『選挙制度』も導入しています。ジブン仕様書も選挙制度も、仕事を「やらされる」のではなく、自分たちが納得して仕事をしたいという考えから生まれた制度です。とにかく、納得感を大事にしています」

プログラミング体験と座談会
 山田さんのお話に続いて、学生たちはロボチャートという入門ソフトを使ったプログラム作りにチャレンジしました。最初に行ったのは迷路からロボットを脱出させるゲーム作り。「前へ進む」、「右を向け」といった基本コマンドや「前は壁か?」といった分岐コマンドを駆使してロボットを出口まで導きます。分岐コマンドは、例えば「前は壁か?」という分岐コマンドに対して「はい」なら「右に向く」、「いいえ」なら「前に進む」といった命令ができます。ロボットへの命令を組んでいくことで、プログラミングの基本であるフローチャートの考え方や論理的思考が身に付くといいます。アントレキッズで校長を務めている志戸田健二さんの指導のもと、学生たちは和気あいあいと楽しくプログラミングの基礎を学ぶことができました。

 プログラミング体験をした後は、社員の方々との座談会が設けられました。大学3年生にとっては、本格的な就職活動スタートが間近ということもあり、特に就職活動関係の質問が飛び交いました。社員の方からは、「以前の会社では社長と会ったのは1度だけで、社内のコミュニケーションが希薄な会社でした。人との繋がりを大事にしている会社に入りたくて、当社に入社しました」といった入社のきっかけや、「人事は面接のプロ。思ってもいないことや自分にうそをついて話すと、それが伝わります。素直さを心掛けてみてください」といった面接のアドバイスなどもしていただきました。

 座談会は30分ほどで終了。最後に太田可奈取締役に挨拶をしていただき、ツアーは締めくくられました。

 「エンジニアというと理系の仕事のように感じてしまうかもしれませんが、全くそんなことはありません。文系理系問わず、エンジニアの仕事に興味を持ってくれたら嬉しいです」

  • 教育事業について話す山田菜々絵さん教育事業について話す山田菜々絵さん
  • プログラミング体験の講師をしていただいた志戸田健二さんプログラミング体験の講師をしていただいた志戸田健二さん

学生の声

 参加した学生からは「社員の方々の発案で制度ができるというのはすごいと思った。働きやすくてやりがいを持てる会社だと思った」といった意見や「座談会で面接のアドバイスが聞けたのが良かった。参考にしたい」といった感想が聞かれるなど、それぞれ有意義なツアーになったようでした。

  • プログラミング体験の様子プログラミング体験の様子
  • 座談会風景座談会風景

2社目 松山油脂株式会社/16名参加

 松山油脂は石けんやボディソープ、ヘアケア、スキンケア製品などを製造している老舗企業です。合成の香料や着色料を使わず、牛脂や植物油などの天然素材を使用し、石けんは昔ながらの製法である釜焚き製法で100時間かけて製造。こだわり抜かれた製品は多くのファンを生んでいます。「M-mark series」や「LEAF&BOTANICS」といった同社が展開するブランドの名前を聞いたことがある人も少なくないかもしれません。今回はそんな松山油脂の本社を訪問し、社員の方々のお話を聞くほか、工場見学もしてきました。

社員の方々と記念撮影 社員の方々と記念撮影

ツアー内容

社員の方のお話
 ツアーは総務経理部の富川義夫さんのお話からスタート。まずは会社の概要を説明してくださいました。

 「当社は『素材と製法に妥協せず、毎日使えるウオッシュ&ケア製品を提案する』というコンセプトで、石けんやスキンケア製品、あるいはボディクリームやハンドクリームといった基礎化粧品を製造しています。創業は今から100年以上も前の1908年なんです」

 創業は雑貨商としてスタート。徐々に事業は拡大していき、戦後間もない物不足の時代に石けん製造を開始したといいます。

 「当社の本社と工場がある東墨田の周辺は、川に囲まれているため工場が多い地域でした。とりわけ、皮革製品に携わる工場が多かったことから、その過程で出る油脂を使って石けんを製造する会社も増えたようです。皆さんが一度は名前を聞いたことがあるであろう大手の化学メーカーの事業所が近くにあるなど、まだその名残が散見できます」

 会社や産業の歴史に学生たちも興味津々の様子。メモを取るなど真剣に耳を傾けていました。富川さんが「当社の仕事を知ってもらうには実際に見てもらうのが一番だと思います」と話し、工場見学に引率してくださいました。

工場見学とパネルディスカッション
 デリケートな製品を製造しているため、学生たちは帽子とクリーンウェアを着用。まずはボディローションなどのスキンケア製品を製造する作業場を見学。この作業場はとりわけ衛生管理レベルが高く、学生たちは作業場にしつらえてある大きなガラス窓越しに作業を眺めました。なかには人がすっぽり入ってしまうほどの大きな製造釜が設置されていて、1回で500kgのボディローションを製造できるといいます。

 スキンケア製品の作業場を後にした一行は、石けんの切り分け場へ移動。部屋の中は石けんの良い香りが立ち込めていて、中央にある作業台には男性でも持ち上げるのに一苦労しそうなほど大きな石けんの塊が置かれていました。

 「まずは、塊の横腹にピアノ線を平行に入れて横切りをします。これを『段切り』といいます」と富川さんが解説し、富川さんと作業員の方の二人がかりで段切りをする様子を拝見させていただきました。続けて、段切りした塊を「小切り機」というピアノ線が等間隔に張られたところへ押し出すと、見慣れた手のひらサイズの石けんが出てきました。切れ端を触らせてもらうと、しっとり湿って軟らかく、これを乾燥させてようやく1個の石けんになるのです。

 「次は石けんの塊ができる前の工程、大きな釜で焚いて石けんの素地を作るところを見てみましょう」(富川さん)

 釜場は汗をかいてしまうほどの熱気。直径2メートル、深さ4メートルという巨大な釜からはもうもうと水蒸気が上がっていました。

 「釜の中に牛脂、ヤシ油などの天然素材に苛性ソーダを少しずつ加えていき、まずは水と油を乳化させます。さらに苛性ソーダを加えてかくはんし、その後、塩を加えて石けんと不純物の層を分けます。これで石けんの素地が完成。一度に36,000個ほどの石けん素地が作れます」

 次に、液体製品をボトルに詰める充填の作業などを見て工場見学は終了。

 会議室に戻ると、次は社員の方々が一人ひとり、入社のきっかけや業務内容などを話すパネルディスカッションが開かれました。生産部の方は「当社の製品には一つひとつロット番号が付いているので、自分が携わったかどうか分かります。小売店などに行って自分が関わったものがあると嬉しくなります」とやりがいを感じる瞬間を話してくださいました。また、営業企画部の方は携わったプロジェクトについてお話してくださいました。

 「私自身がクセ毛ということもあって、髪をサラサラにするようなヘアケア製品が作れないかと社長に提案しました。『2か月やるからチャレンジしてみろ』と言われ、その期間は研究開発部と一緒になって相談し、家に帰ったら自分の髪で試すなど試行錯誤の日々でした。最終的には社長からGOサインが出て、店頭に並んだときには自分の子どもを産んだかと思うほど嬉しかったです」

 パネルディスカッションは30分ほどで終了。最後に、富川さんに挨拶をしていただき、今回のツアーは締めくくられました。

 「当社は、挨拶をきちんとする、整理整頓をする、人の話をきちんと聞くということを大切にしています。できて当然のことかもしれませんが、当たり前のことを疎かにせず真摯に取り組む姿勢が良いものを作ると思っています。いずれ社会に出たときに思い出してくれると嬉しいです」

  • 会社概要を説明する富川義夫さん会社概要を説明する富川義夫さん
  • 石けんの小切りを見学する学生たち石けんの小切りを見学する学生たち

学生の声

 参加した学生からは「工場見学ができたのが良かった。製造業の働き方のイメージがついた」といった感想や「社員の方々がみんな、穏やかそうな方々で雰囲気が良かった。会社選びの参考にしたい」といった意見が聞かれました。今回の工場見学や社員の方々から聞いた話が、就職活動や社会に出たときに役立つに違いありません。

  • 大きな釜で石けんの素地を生成する『鹸化(けんか)』の作業も見学大きな釜で石けんの素地を生成する『鹸化(けんか)』の作業も見学
  • パネルディスカッションの様子パネルディスカッションの様子

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