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株式会社大迫

株式会社大迫 若手の本気が職人の親心を引き出す。職人の親心が、若手の本気を引き出す。相乗効果の若手育成。

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みんな楽しく若手育成ストーリー
若手の本気が職人の親心を引き出す。職人の親心が、若手の本気を引き出す。相乗効果の若手育成。

 人材確保が難しい職人の世界で、若い世代をどう育成するかは大命題。研修制度の整備だけでなく社長やベテラン職人の親心あふれる育成法に注目だ。

「見て覚えろ」からの脱却。失敗を活かして

 建物の壁や床を漆喰やモルタルで塗り上げる左官は、建築の仕上げともいえる重要な役割を担っている。オリンピックに向けて建築業界が盛り返す中、需要は高まっているが、100種を超えるコテを使いこなし、芸術的なまでに美しく塗りあげていくのはまさに職人の技。一朝一夕で身につくものではない。ベテラン職人が高齢化する現在、その技を次代へ引き継ぐことが喫緊の課題となっている。
 大迫は昨年、50周年を迎えた左官の会社。創業時からついてきたベテラン職人も多く、技術への信頼性は折り紙つきだが、例に漏れず高齢化問題を抱えていた。そこで4年前に若手への技術継承をスムーズに図るための一策として新卒採用に本格的に乗り出した。しかし、そこで採用した新卒新人の育成に失敗してしまったと大迫正茂社長。
 「職人の世界は伝統的に『見て覚えろ』の世界です。それにならって現場に任せることにして、会社としては手を出さなかったんです。そうしたら職長からは『若手はやる気がない』と愚痴をこぼされ、若手には辞められてしまいました」
 敢え無い失敗ではあったが、大迫社長はただでは転ばなかった。どのように技術を伝えるか、どのようにモチベーションを維持させるか。組織的な研修体制を整える必要があることを身をもって学んだのだ。そして2年目に採用した新人から、技術研修をはじめとする会社としてのバックアップ体制を整えて迎え入れたのだった。

body1-1.jpg本格的に育成に力を入れだした2代目社長・大迫正茂さん。

職人の意外な反応。確かな手応えを感じる

 研修は研修室を使った練習と、職長について現場で学ぶ現場実務の2本立てになっている。研修室では、ベテラン職人指導のもと壁塗りの基礎を学び、反復練習を行う。現場任せだと教え方にムラが出たり、忙しいと若手に構っていられなかったりする場合がある。それを補うわけだ。
 そして、研修で学んだことを現場で実践しつつ、技を定着させていく。
 思い切って研修をスタートさせた大迫社長だったが、初めは指導に当たる職人からの反発も覚悟していた。「見て覚えろ」の世界で生きてきた職人の中には、一から丁寧に指導することをよく思わない人も少なくないからだ。
 「その点は全くの杞憂でしたね。若手育成の必要性は、職人さんも共有してくれていたようで、本当に親切・丁寧に教えてくれています。孫と接しているようで微笑ましいですよ(笑)。子どもくらいの歳の差だと厳しくしていますが、孫くらい歳が離れてしまうと、逆に優しくなれるのだと思います」(大迫社長)
 世間では“ゆとり世代”と揶揄されることもある若手世代の育成には少なからず不安の声もあったが、それも研修の成果が表れ始めると徐々に聞こえなくなってきた。代わりに聞こえてきたのが「自分も若手を育てたい」という職長からの要望だった。社長が手応えを感じた瞬間だ。

body2-1.jpg本社近くの研修室で、壁塗りの練習。

育てがいのある若手ばかり

 研修や現場での指導役として若手と直に接している宿里和良さん。創業以来、大迫を支えてきたというこの道50年の大ベテランだ。さまざまな時代の若手を見てきて、時代時代の変化を感じ取ってきた宿里さんだが、最近の若手社員のやる気には圧倒されているという。
 「厳しい時代には若手は2割残ればいいと言われていた業界です。正直、早ければ1週間で辞めると思っていました。しかし、今の子たちは全然辞めない。それというのも、3年目の子は職人に、2年目の子は3年目の先輩に、それぞれ『負けたくない』というライバル意識を持っているからなんです。目標を持った人間は、根性がありますし、仕事も熱心に取り組むので上達が早いんです」
 「車がほしい」「家がほしい」という目標に向かってがむしゃらになった自分の若手時代を思い出すようだと語る。若手が熱心に仕事に取り組み上達すれば、教える側も楽しくなり、若手育成に前のめりになる。それが「若手を育てたい」という言葉だったのだ。
 宿里さんは壁塗りの技術だけでなく、人の動かし方や現場の回し方といった自分の持っているノウハウを全て若手に継承していきたいと、熱意を燃やす。きっとすべての職長・職人が同じ思いに違いない。
 もちろん、こうした若手にやる気をみなぎらせるのは、会社がモチベーションを上げる工夫をしているのも大きな理由。その工夫の一つが短期的な目標をはっきりさせること。
 「当社では、左官技能士2級を取得すれば、“職人”として認めることにしています。研修は、4年でこの資格を取ることを一つの目標にしていますから、そこへ向けて頑張っているようです」(大迫社長)
 また、30代・40代という若い職長も多く活躍しているため、自分のステップアップに夢が持てるのも秘訣なのだという。
 さらに、地方出身者も積極的に採用していることから自社ビルを寮として貸し出している。社員同士が近い距離で接することで、生活面や精神面など多面的にサポートすることができる。生活の不安がなければ、ますますスキルアップに専念できるというわけだ。

body3-1.jpg宿里和良職長。話しぶりから人柄の良さが伝わってくる。

技と感性がものをいう世界。女性も活躍。

 一般的に「男の職場」というイメージが強い左官業だが、同社では女性の若手左官も活躍しているのが特徴だ。大迫社長曰く、力よりも技と感性がものをいう世界だけに、男女の差はないのだという。その証拠に毎年女性が入社し、めきめきと腕を上げている。
 入社2年目を迎えた前田優衣さんは、左官職人の世界に飛び込んだ理由をこう語る。
 「父が防水工事の職人だったので、私にとって『現場で働く職人』が、一番働くイメージがしやすいものでした。将来も漠然と職人になろうと思っていたところ、学校から大迫を紹介され、左官に興味を持ったのがきっかけです」
 もちろん、不安はあったし、周囲の人には驚かれた。母親には「続かないんじゃないの?」と引き止められもした。重いものを運んだり、危険な道具を扱ったりすることもあるから、それも当然の反応だ。しかし、一度決めたことをやりぬくという強い決意と、父親からの「好きなことをやったらいい」という言葉に背中を押され、左官職人への道を歩き出した。
 「不安はすぐに吹き飛びましたね。研修で丁寧に指導してくれたり、持てないような重いものは代わりに持ってくれたりという細かいサポートのおかげです。今では力もついて、重いものでも運べるようになりました」(前田さん)
 安心して仕事に取り組めたため、仕事の楽しさを感じる余裕もできた。壁塗りだけではない左官の奥深さ、そして同じことの繰り返しに見えて、よりきれいに、より早くと上達を実感できることに左官の魅力を感じ、ますます仕事に前向きになった。そんな生き生きとした姿をみて母親も安心したのだろう。今ではすっかり応援してくれているという。
 若手のやる気を引き出す社長や職人たちの親心。そしてそれに応えてひたむきに腕を磨く若手たち。互いに刺激しあっている大迫には活気が溢れている。この育成法が根付けば、左官業界の将来は、彼らの表情のように明るくなることだろう。

body4-1.jpg前田優衣さん(左)。マンツーマンで壁塗り指導。

編集部からのメッセージ

地方に出向いて説明会

 九州・沖縄・東北出身のベテラン職人が多く、「ぜひ新入社員を自分の田舎から」と声が上がり、社長が九州・沖縄・東北の高校へ出向いて、左官という仕事や大迫の魅力をアピールしているのだという。
 そんな社長に採用を決める時のポイントを聞いてみた。
 「左官に興味があるといってくれるなら、それだけで大歓迎です。こちらから資質を見極めようなんてつもりは全くありません。興味を持ってくれた人を立派に育てていくのは私たちの義務ですから」
 と懐が深い。

大ベテランの宿里職長が語る左官の魅力

 「私が若い頃に塗った建物が未だに残っていたりします。それを見ると『あの時は大変だったなあ』『朝までかかって仕上げたっけ』と思い出が蘇ってきて感慨深くなりますね。自分の作ったものがずっと残っているというのは嬉しいものです。たまに『あの頃はまだまだ未熟だったな』と思うこともありますよ(笑)」
 「今では誰にも負けませんけど」と付け加え、磨き続けてきた腕への確かな自信をのぞかせた。

  • 社名:株式会社大迫
  • 設立年・創業年:設立 1975年
  • 資本金:1,500万円
  • 代表者名:代表取締役 大迫 正茂
  • 従業員数:160名(内、女性従業員数9名)
  • 所在地:120-0006 東京都足立区谷中2-19-16
  • TEL:03-3605-0270
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