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株式会社未来樹脂

株式会社未来樹脂 社会にない製品を創る。そんな経営方針が再生プラスチック事業を生む

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社会にない製品を創る。そんな経営方針が再生プラスチック事業を生む

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社会にない製品を創る。そんな経営方針が再生プラスチック事業を生む

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再生プラスチック事業ストーリー
社会にない製品を創る。そんな経営方針が再生プラスチック事業を生む

 土木の現場で威力を発揮し、なくてはならないとまでいわれるプラスチック製品の開発で業界デビュー。以来、次々と樹脂製品を開発してきた未来樹脂。今また、新たな時代のうねりの中で環境に負荷を与えない再生プラスチック事業に乗り出し、クルマ部品の輸送トレーという新分野を開拓。同社の再生プラスチック事業の軌跡とそこで活躍する若手社員の仕事にかける思いを探った。

培ってきた技術を活かして再生プラスチックに挑戦

 頑丈そうに見える鉄筋コンクリート製の建造物でも、鉄筋に欠陥があれば驚くほどにやわなものであるというのは近年の欠陥住宅報道でよく知られるところ。いうまでもないが、それはビルなどの建造物に限らない。身近なところで例えると、路上で見かけるマンホールもそうなら、道端に設えられた側溝も、また、石垣などに代表される擁壁も同様で、鉄筋がきちんとしていなければ、強度はおぼつかず、ちょっとした力加減でもろくも崩れてしまう。さらに厄介なのが、ただ鉄筋が入っていればいいというものではないというところだ。建造物によって鉄筋のあるべき正しい位置というのがあるのだという。施工業者にとっては頭の痛いこの問題を一気に解決したのが、未来樹脂が開発した「鉄筋位置決めプラスチックスペーサー」であった。これによってどこに鉄筋を位置づければいいのかが一目瞭然となり、確実に、しかもスピーディーに仕事を進められるとコンクリート製品業界で重宝された。1968年のことだったというから、時あたかも高度成長期の真っ盛り。新製品を武器に土木業界に名乗りを上げた同社の前身・武蔵野機工は、急速に進む道路整備に歩調を合わせるように成長、約半世紀にわたりプラスチック一筋に事業を展開してきた。
 プラスチックスペーサーで高度経済成長時代を支えた同社、そこであぐらをかくことなく、果敢にチャレンジを続け、これまでに1000種類を超えるオリジナル製品を開発してきた。その中には、パーキングの車止めや引っ越しシーンで見かけるエレベーターや壁面に張り巡らされる養生シートといった日本でトップシェアを誇っている製品も含まれる。
 いわば新しい製品を開発する「開発型企業」として、新市場を開拓してきた未来樹脂にさらなる追い風が吹いた。代表取締役社長の荻原岳彦氏は当時をこう述懐する。
 「プラスチックは鉄やアルミ、紙などに比べ、リサイクルが遅れていた分野でした。これが2000年のリサイクル法の改正によって見直され、プラスチック製品を開発・製造をしていた当社にとっては、プラスチックの『再生高度利用』という新たな道が切り開かれることになり、大きな弾みとなりました」
折しも公共事業の減少によって同社の売り上げは右肩下がり傾向にあった。新たな柱となる分野を渇望していた時期だったのだ。

body1-1.jpg新たに再生プラスチック事業に乗り出した荻原岳彦社長

クルマの部品輸送に利用するトレーを開発

 プラスチックが鉄やアルミに比べてリサイクルが遅れていたのは、再生が難しい素材だったからである。一口にプラスチックといっても多種多様であり、同じプラスチックでも、溶解度の高いものとそうでないものがあり、それらがまぜこぜになって回収されたのでは、再生品を作るプラスチックとはなりえないこともあるのである。ましてや、高機能化など、とても望めなかったのである。それを長年の経験と蓄積してきた技術見識を駆使し、異なる素材を分子レベルで混合することで物理的な改質・高機能化に成功。文字通り、未来樹脂が再生プラスチックの未来を切り開いたのである。
さらなる強みもあった。射出成形をはじめ圧縮成形、押出成形など幅広い成形技術を有していることで、様々な形状の製品を開発できたのである。同社では、再生プラスチック事業を「エコプラス事業」と名付け、事業の柱の一つにするべく製品開発に打ち込んだ。
 「当社が目指すのは、環境にやさしい静脈系の『環境製造業』です。さらに、標榜する市場はニッチトップ事業。つまり、ニッチ市場をターゲットにしてそこでトップシェアを誇る企業になる経営戦略を掲げています。そんな経営戦略から創出したのが、再生プラスチックを利用した輸送トレーの開発です」(荻原社長)
 これまでは土木・建設用プラスチック製品が主流だったが、新しい事業ではクルマの部品を運ぶためのトレーの開発に乗り出した。同社では同じトレーでも、重くて高額な部品を運ぶためのものに対象を絞っている。それがターボチャージャーとトランスミッションである。どちらもエンジン周辺の重要な機能を果たす部品で、しかも形状が複雑。輸送時の安全性が重視される部品だけに高品質のトレーが要求される。
「輸送トレーの中でも分野を絞り込んだのは、その部品を学びながらトレー形状などを研究するためです。長時間かけて輸送すると部品が錆びやすくなるため、通気性を良くするなどの工夫も必要になります。またトレーと接触してはダメな部分もあります。そんな部品の知識を知り尽くした上で製品開発に挑んでいます」
 と苦労話を披露するのは、入社3年目ながらトレー開発に携わっている開発技術部の大谷津侑司さん。未来樹脂では大谷津さんのようにキャリアの浅い若手社員が戦力となって新しい事業に打ち込んでいる。

body2-1.jpgクルマの部品の形状にフィットする未来樹脂の輸送トレー

ビジネスの一線で活躍する未来樹脂の若手社員

 自動車産業で高いシェアを誇るわが国だけに、国産ターボチャージャーとトランスミッションはアメリカやヨーロッパなど、誰もが知る世界的自動車メーカーに向け数多く輸出されている。輸送は船舶になるので長時間の輸送を余儀なくされる。そうした環境下でも、衝撃によって部品が傷つかないのは当たり前。先述したように錆防止なども考慮した形状にしなければならない。
 ところが従来のターボチャージャーなどの輸送は、段ボールの中に仕切り板を設けて部品を詰めるというオーソドックスな方法だった。当然、部品間に隙間があき、衝撃も受けやすくスペース効率も悪かった。一方の未来樹脂の輸送トレーは、部品の形状に合わせて梱包できるために従来の梱包方法と比較すると、同じスペースに2倍の部品を納めることができる。梱包する時間も短縮でき、人件費の削減にもつながる。こうした様々なメリットで部品メーカーのコスト削減や輸送品質の向上に貢献しているのだ。
「まずはお客様が何を求めているのかをヒアリングすることが大切です。その上でその課題を解決することはもちろん、期待以上の提案をすることが当社の営業スタイルです」
 と語るのは、エコプラス事業部営業担当の町田匠さん。町田さんは入社1年目ながらお客様の窓口としてヒアリングを行って課題を聞き出し、解決策をプレゼンテーションしている。町田さんが未来樹脂に入社したのは、既存のビジネスに捉われずに新しい事業を創出する経営姿勢に惹かれたからという。理系学部出身で前職は室内のドア設計を手がけていたという町田さんは、顧客にもっとも近い営業でありながら技術的なアドバイスを心がける。理系出身のスキルを活かしながら顧客のパートナーとして課題解決に奔走している。

body3-1.jpgつねに顧客の課題を解決する提案を心がけるという町田匠さん

顧客の課題を抽出して問題解決を図ることが使命

  入社数年で顧客と一緒になってトレー開発に挑む若手2人だが、口を揃えるのが社内外のコミュニケーションの重要性だ。未来樹脂が手がける輸送トレーは、ターボチャージャーやトランスミッションの開発とほぼ同時進行で行われ、中には開発過程で部品形状が変更になることもある。その形状に合うトレーをすぐさま開発するなどの対応も日常のこと。
こうした事態に備えて顧客との情報共有が不可欠だが、もちろんコミュニケーションが重要と語る理由は他にもある。
「お客様によって課題はそれぞれ異なります。またお客様自身も気がついていない課題もあるはずです。そんな改善の余地を見つけ出して提案することを心がけています。そのためにも、つねに密接なコミュニケーションを図っていくことが、営業担当者の使命だと思います」
 と営業担当者の町田さんは、顧客のソリューションを図るためにもヒアリングなどのコミュニケーションを大切にしているという。製品開発を担当する大谷津さんも開発姿勢を次のように語る。
「私の使命はより良い製品を目指して改善していくこと。例えば、トレーを骨組み状の形状にした軽量化にも取り組んでいます。そうすることでより多くの部品を梱包できると同時に材料費を抑えられ、低価格でお客様に提供することが可能になります。こうした新製品の開発には、営業と共にお客様のぞれぞれの課題や求めていることを察知することが何よりも大切になります」
 若手社員が顧客と向き合い、そして顧客ごとの課題を探し出して製品化していく。それが未来樹脂の新しい価値を創るという事業の原動力となっているのだ。

body4-1.jpg骨組み状の新しい輸送トレーを開発した大谷津侑司さん

編集部からのメッセージ

下請け仕事はしないという明確な経営方針


 未来樹脂の仕事の特徴は、若手社員にも権限を与えていること。それにより、若手が主体的に業務に取り組んで顧客と信頼関係を築いている。それを可能にしているのは、荻原社長の経営方針に他ならない。環境にやさしい静脈系の「環境製造業」を掲げる同社だが、もうひとつ大きな方針がある。それは「下請け仕事はしない」ということ。しかし、それは他社の真似はしないということであり、もっといえば世の中にない製品を作り続けていくという覚悟がなければできないことだろう。つねに独自の価値を創り出して社会に貢献するという強い想いが未来樹脂の開発力を支えているのだ。



高い技術力とリーダーシップで業界の標準化にも貢献


 プラスチックスペーサーを社会に送り出した未来樹脂だが、顧客が安心して同製品群を使用するには、規格統一をして品質の向上と均一化を図る必要があると、この分野のJIS規格化の実現にも寄与している。業界をけん引してきた未来樹脂の社会貢献の一つに数え挙げられるだろう。また、同社が開発した再生プラスチックの角材・板材・ブロックなどの製品群を「h-exat」(エクサ)シリーズとしてブランドを統一。こうしたプラスチック再生・再製品化技術が2005年「東京都ベンチャー技術大賞」特別賞、2014年には「多摩ブルー・グリーン賞」最優秀賞を受賞している。いうまでもなく土木・建設用プラスチック業界に与えてきた同社の影響力は大きい。

  • 社名:株式会社未来樹脂
  • 設立年・創業年:設立年 1968年
  • 資本金:2,980万円
  • 代表者名:代表取締役社長 荻原岳彦
  • 従業員数:43名(内、女性従業員数15名)
  • 所在地:187-0043 東京都小平市学園東町1-7-14
  • TEL:042-346-1131
  • URL:http://www.miraijushi.co.jp

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