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ケィディケィ株式会社

ケィディケィ株式会社 苦難の末にたどりついたプラスチック加工技術が会社の未来を切り開く

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苦難の末にたどりついたプラスチック加工技術が会社の未来を切り開く

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苦難の末にたどりついたプラスチック加工技術が会社の未来を切り開く

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社長の経営再生ストーリー
苦難の末にたどりついた プラスチック加工技術が会社の未来を切り開く

 半導体製造装置に使われる部品など、精密な加工が要求されるプラスチック部品を製作するケィディケィ株式会社。大田区産業振興協会が、経営や技術力を認めた優工場に認定され、業界紙やテレビでも注目されている同社だが、これまでの道のりは決して平坦ではなかった。社長の奮闘ストーリーを紹介する。

入社してすぐに頭角を現した二代目社長

 新幹線開通や東京オリンピックに沸いた1960年代。北海道から上京してきた先代社長が、23歳にして事業を立ち上げたのが、ケィディケィ株式会社の前身、協和電材工業である。先代は18歳でプラスチック加工会社に就職。そこでの経験を活かして、電子機器に使われるプラスチック製の絶縁材の部品製造、販売を始めたという。
 「当時は茅ヶ崎から東京へ朝早く出かけ、帰りは夜中の毎日で、母方の祖母や祖父と遊んだ記憶はあっても、父に遊んでもらった記憶はないんですよ。それだけがむしゃらに働いていたんでしょうね」
 と同社の黎明期を語る佐藤武志現社長が入社したのは1989年。創業から約20年後の企業は経営にゆとりも出来ていた。主力商品は、創業時から扱ってきた絶縁部品と新たに参入したプラスチック製のコンベヤーの部品だった。
当時、大量生産時代に突入し、飲料や食品のオートメーション化が進んだ缶やビン詰めのオートメーション工場で欠かせない部品のひとつで、部品を通過することで、コンベアーから流れてきた缶やビンが整列するというもの。実はそれまではアルミ製のものが主流だったのだが、缶やビンが通過する際に摩擦で缶やビンが傷つくという欠点があった。そこで、傷つかないプラスチック製の部品のニーズが高まり、同社もこの製造に乗り出したのだった。入社1年目の社長が早々に担当したのがこうしたプラスチック製品の製造や営業。営業は客先を回り、自社の製品がどのように使用されてるか知るには絶好の部門。いわば新人の登竜門で、ここで2~3年の経験を積むのが一般的。ところが、2代目と目された新人は違っていた。2年目にしてそれまで常務取締役が抱えていた大事なクライアントを任されることになったのだ。帝王学というわけでもなかった。常務取締役の突然の退職によるものだった。
 「早く認められて社長になりたいと思っていた私にとって、チャンスとしか考えてなかった。あきれた若僧ですよね。それも若さの特権でしょう、無我夢中でした」
 恐れ知らずが吉と出た。もともとのおしゃべり好きで明るい性格の下町気質は、営業に打ってつけだった。グングン営業成績を伸ばし、気づけば、先代社長の売上をも上回っていたという。まさに、飛ぶ鳥を落とすほどの業績が認められ、2007年8月、ついに念願だった社長を任された。
新社長は就任前からひとつの理想を胸の内に秘めていた。
 「クライアントの言うことに何でも、はいはい答えて、必要以上に頭を下げる先代のような営業方針には納得していませんでした。是が非でもケィディケィでしかできない技術、商品を開発して、頭を下げずともすむような会社にしようという野望でギラギラしていました。若くして認められ、トントン拍子に成績を上げていった奢りもあったんでしょうね。理想が先走っていたのは確かです」

body1-1.jpg複合機を操作する工場長。その目は真剣そのもの

就任早々のアクシデント。眠れない日々が続いた

 社長に就任し、プラスチック加工のブランド化という展望に向かって走りだそうとしていたその矢先、予想だにしてなかったことが起こった。主要クライアントが事業撤退を余儀なくされ、発注をストップすると通達してきたのだ。交渉も説得もできない、如何ともしがたい事態。売上が3割も落ち込んだ。出鼻をくじかれた社長にリーマン・ショックが追い打ちをかけた。翌年も売上はさらに3割落ちた。 
「放心状態でしたね。これからってときに、なんでこんなことが起きるんだと」
 心労から中々寝付けない日々が続いた。会社が立ち行かなくなれば、自分や自分の家族はもちろん、従業員やその家族も路頭に迷わせることになる。そのプレッシャーは想像に難くない。
 「かなり参っていましたよ。家族や従業員に弱音を吐くことは出来ないし。でも、これは天が下した挑戦なんだ! 私がオロオロしても何も始まらない、と自分に言い聞かせて、どう乗り切るべきかいろいろ考えました。結論は今、やるべきことをやるしかない。どんな小さな仕事でも、ありがたいと思ってやるしかないと腹をくくったんです」
 不況により価格競争も厳しくなり、以前では考えられないような工賃でも、とにかく仕事を引き受けた。クライアントの意見を全面的に受け入れ、平身低頭の営業に徹した。そこで、初めて気付いたことがあった。
 「先代社長も是が非でも会社を存続させて、社員やその家族の生活を守らなければならないという思いで、平身低頭で客先まわりをしていたんだと、このとき理解できたんです」

body2-1.jpg3次元マルチセンサーによる徹底した品質管理

受難が会社の新機軸につながる

 取引先にまめに足を運んで挨拶回りをし、請け負った仕事は、どんな無理難題でも、社員一丸となって日々の仕事をこなしていった。そんな姿勢が功を奏したのだろう。材料メーカーから工場を見学したいという電話が入った。それも今日の今日にとの要望。すぐさま、受け入れの準備をして招いた。「これなら大丈夫ですね」と太鼓判を押された。しかし、一向に仕事の依頼は入らなかった。
 「どんなことを依頼したいのか、詳しい話は聞かされなかったんですが、これはチャンスなんだ! どんなことでもやろうと決めていました」
はやる思いの一方で朗報は一向にやってこない。待ってばかりもいられないと、足繁く先方に出かけていった。結局、実を結んだのは1年後のことだった。現在、主力商品になっている半導体製造装置に使うプラスチック部品の依頼だった。
 「これまでやっていたプラスチック製品では経験のない精密さが要求される製品でした。でも、その技術を高めれば目指していたオンリーワンの技術を確立できるチャンスと考えました。もともと、先代のころから絶縁部品を扱っていたので、電気に関係する部品が原点という思いもあったんです」
 プラスチックは、金属よりもやわく熱に弱い。そのため、精密加工には卓越した技術が要求される。
 「旋盤で削り加工をしたあと、マシニングで穴あけをしていたのですが、旋盤から外して、マシニングに設置すると、微細な誤差が出てしまうんです。ですから、一度で削り加工と穴あけができる複合加工機も導入しました」
 それでも、精度が出ないことがあった。技術者一同でその原因を探った。そしてたどりついた答えが温度管理だった。さっそく、工場内の温度や湿度を一定に保つ工夫をした。思惑通り、これで精度が上がった。
 「悪戦苦闘しながら、技術を磨き、多くの方にも認めてもらえる技術を確立できました」
 この技術は業界紙やテレビでも取り上げられ、その結果、都内の中小企業の中から技能者の育成や技能継承で成果をあげた企業に与えられる東京都技能人材育成奨励賞も受賞した。激減した売上も、半導体製造装置に使われるプラスチック部品やその他、プラスチック加工製品の伸びのおかげで、2011年3月期には黒字に転換。
 オンリーワンの技術を確立したいと願っていた社長の描いた道筋を、会社が歩み始めている。無論、現状に甘んじることなく、技術を磨くという挑戦は続く。夢へと向かう佐藤社長の牽引力は、同社で働く従業員のやりがいにも繋がっている。それが新たなオンリーワンを生み出す力になるに違いない。

body3-1.jpg工作物を固定して、刃物を回転させて切削するマシニングセンター

編集部からのメッセージ

ムダを省くエコ活動


 工場集積地である大田区に工場を構えるケィディケィ株式会社。同社のプラスチック加工技術には空調管理が欠かせない。しかし、エアコンばかりに頼るとエネルギーコストがかさんでしまう。そこで、作業場の天井に大型扇風機を設置し空気循環を促すほか、冬にはコンプレッサーの熱を暖房に利用し、夏には廃熱箇所にパイプを繋ぎ外に流すなどの工夫をこらしている。コスト削減ばかりか、エコ活動になっていることはいうまでもない。こうした活動も認められて、2013年には大田区が優れた工場を表彰する「優工場 人に優しい部門賞」に認定された。

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若手技術者の育成


 同社では、複合機、フライス盤、旋盤にそれぞれリーダーを配置し、マンツーマンによる技術指導を行っている。加えて、工場長が従業員全員に気を配り、フォローも欠かさない。また、個人の技能や仕事ぶりを評価し年俸序列制を取入れている。こうした取り組みによって、ひとりでも多くの若人を一人前の技術者に育て上げたいと佐藤社長は熱く語る。

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