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株式会社井口機工製作所

株式会社井口機工製作所 アイディアと行動力で社員を引っ張る新社長。

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アイディアと行動力で社員を引っ張る新社長。

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株式会社井口機工製作所

アイディアと行動力で社員を引っ張る新社長。

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社長奮闘ストーリー
アイディアと行動力で社員を引っ張る新社長。

 株式会社井口機工製作所では今年1月に、それまで専務として企業の方針を大きく変えてきた井口威佐美新社長が就任した。アグレッシブで勉強熱心と評判の新社長は、社員の先頭を切って走り、ぐいぐいと引っ張るリーダーシップに富んでいると周囲の信頼は厚い。

明るいキャラクターが買われて専務に就任

 ほんの数年前までは主婦だった。先代の社長夫人として会社の経理を手伝うことはあっても経営にはノータッチだったのが、今では社長として経営を仕切っている井口威佐美社長。これもひとえに社長の類稀なる行動力があったからこそだ。
 「子育てばかりに追われる毎日をあじけなく思い、合間を縫って英会話に通いだしたんです。いくつか教室をはしごして、日常会話くらいならできるようになった頃、ちょうどアメリカから仕事の依頼が入ってきまして、英語が話せるスタッフとして加わることになったのが社業につくきっかけでした」
 井口機工製作所は、工業用の運搬器具であるターンテーブルやボールベアの製作会社。代理店を通して製品を販売するスタイルで、海外の代理店から依頼が来たのは初めてのことだった。「国内の経営には口を出さないでくれ」と釘を刺されたものの、自身もそのつもりだったため、海外の仕事だけを引き受けることになった。
暗中模索でスタートした海外案件だったが、井口社長はすぐに成果を上げてしまう。成功の秘訣は時差だったと話す。
 「アメリカで終業時間を迎える頃、日本は朝です。向こうが終業間際に注文を送ってくると、こちらでは朝から対応ができますから、アメリカで次の日の始業を迎える頃にはもう図面ができあがっている状態だったんです」
取引のあったサンフランシスコとの時差がおよそ16時間。確かにアメリカの夕方=日本の朝ということになる。注文を送って退社し、次の日出社したらもう図面ができ上がっているのだから、先方も驚いただろう。このスピード感が高評価を得て、アメリカの企業からの信頼を築き上げた。初の海外での仕事を見事成功へ導いたのだ。その後も、海外案件に携わりながら、営業経験を積んだ井口社長が専務に就任したのは5年前のこと。
 「会社に顔を出したらなんだか雰囲気がどんよりとしているんです。リーマンショック後の、かつて経験したことのない落ち目に、売れるためにどうすればいいかもわからない状態に陥っていました。営業先の代理店さんも暗くなっていて、とても営業をかけられる雰囲気ではない。そんな状態を打開するために当時の社長から声がかかりました」
 元気で明るく、バイタリティあふれる井口社長のキャラクターが会社をいい方向にもっていってくれるとの判断だ。
今度は逆に「私のすることに口を出さないでね」と釘を刺した上で、専務の大役を引き受けたのだという。

body1-1.jpg明るく親しみやすいキャラクターの井口威佐美社長

常に新しい話題を用意して、営業が顔を出しやすい状況に

 いくら代理店が暗い雰囲気だからといって動かなければ製品は売れない。ただ、手ぶらで顔を出しても嫌な顔をされるだけ。そこで営業をかける口実になる話題づくりが必要だと考えた。
はじめに、ターンテーブルに比べて、まだあまり名が知られていなかったボールベアを周知するため大量発注をかけてコストダウン。「値下げ」というわかりやすい手土産を持っていくことで、営業が代理店に顔を出しやすい状況を作ったのだ。
 さらに、代理店には女性が多いことからパックやコラーゲン粉末などの美容品をノベルティグッズとして配付。男性には汗ふきシートや靴磨きなどを配り、訪問するたびに配っていると、そのうち「コラーゲンの井口さん」と覚えてもらえるようになった。女性ならではの気づかいが功を奏した。
 その後もトピックを切らさないように2年目には送料無料キャンペーンを実施。工業製品のネーミング大賞への応募作を社内で募り、そのなかで生まれた「かるあげくん」がビジネス部門で2位を受賞したのも話題になった。新製品も毎年リリースしている。
話題づくりに社員のアイディアを積極的に取り入れることで、社内の活性化も図れたという。それと同時に社外に向けては、会社を覚えてもらえるようインパクト重視の戦略を徹底した。
 「就任3年目に新発売した『ピースピースパズル』という製品があります。これは自由に組み合わせて使えるボールベア製品で、7種類のカラーリングがあるのが特徴です。さっそく新製品を覚えてもらうために、同製品と同じ7色のつなぎを作って展示会で着るようにしたんです。オレンジやピンクなど派手な色もあって、とても目立ちますから、いまではすっかり名物になっています」
 女性的な視点から名前を覚えてもらうアイディアを次々と打ち出し、「井口機工が変わった」ということを外部にアピール。さらに、毎年新製品を発売することで話題が途切れないようにすることで、代理店に営業をかけるチャンス逃さないようにした。こうして取り組みの成果は徐々に営業成績にも表れ出し、社内は活性化。雰囲気は一気に持ち直していった。

body2-1.jpg笑いが絶えない明るい職場

女性社長をサポートする女性幹部も活躍

 そんな社長を「エネルギーの塊のような人」と慕い、一緒に盛り立ててきた立役者の一人が山木亜紀さん。社長のアイディアを実現させるためにそのフットワークを活かしてきた。現在は、経営企画室長として、各部署を統括するポジションについている。
そんな山木さんのプロのこだわりが端的に現れたのが、とある展示会でのエピソード。ボールベアの上に天板を乗せて作ったターンテーブルのデモンストレーションが企画されたのだが、組み立てのトラブルでターンテーブルがうまく回らなかった。
時間は差し迫っており、現場には「ディスプレイするだけにして最悪動かなくてもいいよね」という妥協の雰囲気が流れ出した。
そんな雰囲気を山木さんは、「自分たちの製品が動かなくていいわけがない」と一喝。自らコンビニへ瞬間接着剤を買いに走り、応急処置で急場をしのいでしまったのだ。
これには社長も「プロとしてのポリシーを感じました。きっと私が現場にいたら同じことを言っていたでしょうね。彼女は他人に厳しいけど、自分にも厳しい。違うと思うことにははっきりNoといい、誰よりも率先して動いてくれるので頼もしいですね」と太鼓判を押す。
 場の雰囲気に流されて妥協してしまうことは誰にもある。山木さんは海外での就労経験もあるため、はっきりと自分の意見を主張し、自ら率先して動く行動力が身についている。妥協なく仕事に取り組む様はさぞ頼もしいことだろう。
こうしたパワフルな女性の活躍で社内の意識もかなり変化してきているという。
 「社員の積極性が増し、ここ数年で改革のためのベースができてきました。ここで気を緩めず、締めるところは締めて、任せるところは任せるようにすると人材の底上げができてくると思います。現在は、全ての部署を私が統括しているので手いっぱいですが、もっと自由に動ける体制を作っていろいろなことにチャレンジしていきたいです」
それにはこの1、2年が勝負だと意気込みを語る山木さん。それぞれの部署が権限と責任を持って行動できるようになれば、山木さんの負担が減り、その分、別のところで立ちまわれるようになる。そうなれば、より活発に会社が回っていくことになりそうだ。

body3-1.jpg山木亜紀さん、技術者と図面を見ながら打ち合わせ

専務から社長へ。社員がやりがいを持てる会社づくり

 専務を5年務め、2015年1月に社長に就任した井口社長。経営者としての辣腕を振るう一方で、社内では親しみやすいキャラクターで、雰囲気を和ませるムードメーカーとして社員を牽引する。
「社長というのはいわば宣伝カーのようなもの。私がいろいろと前に出て立ちまわれるのも下で支えてくれる社員がいるからこそです。社員が働きやすく、やりがいを持てる土壌づくりをするのが社長の仕事だと思います」(井口社長)
オフィスに仕切りはなく、違う部署同士でも互いの電話が聞こえるくらい風通しがいい。当然、社員同士のコミュニケーションは活発になり、フットワークも軽くなる。たとえば、営業先からのフィードバックとして「こんなものを作りたい」という話を持ってくると、すぐに全部署からスタッフが集まり会議が始まる。ざっくばらんに意見を出し合い、一通りまとまるとすぐに図面を起こして試作品の製作に入る。ここまでのスパンが飛びぬけて速いのだ。
 職人というのは、一つのものを作り続けるより、新しいものを開発したいと思うもの。新製品を常に作り続ける姿勢は、技術職員も刺激しており、ワクワクしているのが目に見えてわかるようになったという。
 元来、技術一筋でやってきた井口機工製作所が、営業的・女性的視点を取り入れて、新たな方向へ舵を切った。「10年後には社員のボーナスが2倍にできるくらい景気よくいきたいですね」と目下の目標を語る井口社長。井口機工製作所はこれからも進化していくことだろう。

body4-1.jpg金属の塊を削って成型する旋盤加工の機械

編集部からのメッセージ

海外とのつながりが強い

 韓国・タイなどに自社のオフィスや工場を持ち、アメリカ・台湾には代理店を持つ同社。今後、タイの工場やアメリカのオフィスをオープンする予定もあり、海外進出はますます進んでいきそうだ。
 国内で働く社員にも外国人が多く、米・中・韓・タイ・スリランカ・ベトナムなどさまざまな国の人が働いている。
 井口社長は英語をはじめ韓国語・タイ語など複数の言語を話せるマルチリンガル。社長になった今も、毎朝5時からの外国語のレッスンは欠かさず受けているといい、実に勉強熱心だ。外国人が多く志望してくるのも、海外にオープンなところが随所に滲み出ているからだろう。



台湾人のホスピタリティに学ぶ

 最初の海外拠点となった台湾でのエピソードを話してくれた。
 「仕事が終わったら毎回食事に連れて行ってくれましたし、移動中に気になるところがあればすぐに車を止めて案内してくれるんですね。その勤勉さやホスピタリティに感銘を受けました」
 まるで昔の日本を見ているようだったと語る。この時の感動が営業や経営をする上での社長の原点になっているのだという。

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