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英弘精機株式会社

英弘精機株式会社 人材教育が着実に実を結び、“グローバル×ニッチ”で世界トップメーカーへ躍進

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人材教育が着実に実を結び、“グローバル×ニッチ”で世界トップメーカーへ躍進

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人材教育が着実に実を結び、“グローバル×ニッチ”で世界トップメーカーへ躍進

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教育制度誕生ストーリー
人材教育が着実に実を結び、“グローバル×ニッチ”で世界トップメーカーへ躍進

 太陽から降り注ぐ放射エネルギーの計測は、気象予測や環境保全、さらには近年注目の太陽光発電において必要不可欠である。環境計測機器に携わること約90年の実績を誇る英弘精機は、世界有数のメーカーとしてグローバル市場からの期待も大きい。そんな英弘精機株式会社では、社員教育の一環に「人のグローバル化」を加え、積極的に取り組んでいるという。

内向きの事業展開を変革し、グローバル競争力を獲得

 英弘精機の歴史を紐解くと、環境計測機器の歴史そのものが見えてくる。ドイツの光学機器メーカー、カール・ツァイス社の計測機器の日本における販売事業者として1927年に創業し、海外の先端技術をいち早く我が国に持ち込んだ。1930年代に入ると事業を拡大。東北大学や京都大学との産学連携によって、計測機器の開発・製造に乗り出した。
 その後、戦争という暗い時代に翻弄されるも、戦後復興に沸く1955年、気象庁の依頼を受けて臨んだ日本初のドーム型日射計の開発に成功、同製品は第一次南極観測隊で使用された。これを契機に気象官署に順次導入され現在に至るまで同社製品が採用されている。今では気象庁長官が認める国内唯一の日射計「認定測定者」に指定されている。また、同社の日照計は、地上気象観測の他、地域気象観測(アメダス)約800地点に導入されている。
 同社の勢いはそれに留まらず、地球温暖化対策や再生可能エネルギーの活用推進が声高にいわれる時代にあっていっそう注目を浴び、世界各国の研究機関が採用。それだけ、同社の製品群の安定性・正確性に世界の研究者が信頼を置いているということだ。
 同社の好調ぶりを裏付ける要因の一つに、国際経験とグローバル時代を見込んでの取組の早さがあるだろう。
 商社に籍を置き海外赴任も経験した長谷川壽一社長が同社に入社した1990年代は、規制緩和が契機となって海外メーカーが日本市場にこぞって進出し始めた時期。計測機器の領域においても海外メーカーに日本進出の門戸が大きく開かれ、気象庁も海外製品の導入を検討し始めていた。
 「欧米のメーカーは開発段階からグローバルマーケットを視野に入れ、世界で売ることを考えています。ところが、当社は世界に誇れる技術を持ちながら、目が向いているのは国内。つまり、世界を見ている人材が少なく、世界と競争できるような状態ではなかったのです。」
 そう振り返る長谷川社長は、海外でのビジネス経験を活かし、自らが中心となって海外のメーカーや学会を視察して周ってはネットワークを構築するなど、グローバル化を推し進めた。その努力は確実に実を結んでいき、海外の研究機関への導入実績は右肩上がりに増え、1998年にはアメリカの気象庁にあたるアメリカ海洋大気庁(NOAA)への同社日照計の納入を決めた。2000年代に入ると太陽電池の研究に欠かせない分光放射計や風向風速を計測するライダーシステムなどの分野を新規開発。国際競争に打ち勝てる製品を揃えると共に、2005年に「EKO USA」、2008年にはオランダに「EKO EUROPE」を開設し、製販共にグローバル市場をターゲットにした事業展開を軌道に乗せた。

body1-1.jpg「他ができないものを作るのが私たちの仕事」という長谷川壽一社長

英語教育の取組が実り、社員のマインドが着実に変化

 長谷川社長はグローバルビジネスの開拓を手がける一方で、仕事上で英語力が必要不可欠になることを見越して、6年前に社内にネイティブ講師による週1回の英会話クラスを発足。さらに、大学教授を招いて日射の専門知識を学ぶ週1回の勉強会も立ち上げ、アメリカ人研究者が執筆した英語のテキストをもとに、社員のグローバル水準の知識習得を後押しした。
 「当初は英語アレルギーをいう社員もいましたが、海外との仕事が増えるにつれ、自ら率先して英語教育に参加するようになっていきましたね。そうした意識の変革を促せたことも、英語教育がもたらした大きな成果といえるでしょう」
と長谷川社長は話し、「英語はスキルというよりも必要不可欠な“道具”。話せるだけではなく、“英語を使って何ができるか”が問われるフェーズになっている」と言う。
 拠点間の人材交流も活発で、日本から海外拠点へ数カ月単位で人材を送り込む取組も始めている。また、年2回日本で開催するグローバル社員総会では、長谷川社長自ら英語で会社の展望を全社員にプレゼンテーション。さらに日本・アメリカ・オランダの社員が英語でスピーチし、意見を交換。これが人材育成につながっているのはもちろん、グローバル市場を見据えた製品開発や営業戦略を推進する原動力ともなっている。
 社内のグローバル化が着実に進展する中、2016年1月にはアメリカ気象学会でグローバル市場を見据えた日射計の最新機種を発表した。「性能面でもコスト面でも、競争力の高い製品に仕上がっています」と自信満々に語る長谷川社長、「今後も国際競争力の高い“グローバル製品”の開発を日欧米一体で進めていきます」と意気込む。

body2-1.jpgグローバル市場を視野に入れて活躍する英弘精機のみなさん

JICAの新興国研修に協力し、気象観測の啓発にも注力

 海外統括部で活躍する川原大明さんは、東南アジアマーケットを担当。現地の販売代理店と連携しながら、気象・環境計測機器や太陽電池評価機器などの自社製品の販促を推進する。
 「学生時代にチャレンジしたTOEICのスコアは500点台。とても自慢できるレベルのものではなかったので、入社してすぐに約1年間の社内の英語教育を受講しました。1回2時間の授業中は、日本語は一切禁止。6、7名のメンバーとともに、ネイティブの先生から中学生レベルの基礎から習いました。徐々にレベルアップしていき、終盤では、客先での商談やプレゼンテーションなどを想定した課題にも取り組みました。その成果が実り、1年後にはTOEICのスコアが100点以上アップ。今ではアメリカ・オランダのメンバーとの販促戦略会議にも参加できるまでに力がつきました」
 さらに川原さんは“未来の顧客”への啓発にも力を注いでいる。国際協力機構(JICA)の要請を受け、新興国の気象観測関係者向けの研修で講師を務めているのだ。
 「ラオス、ミャンマー、パキスタン、トルクメニスタンなど各国から来日された方々に、気象・環境計測機器の活用や効果などを解説しています。自国の気象観測の将来を担っている方々ばかりですから、眼差しは真剣そのもの。研修で得た知識を自国に持ち帰り、それぞれが活躍してくれれば、ゆくゆくは各国で弊社の製品を導入してもらえる日もきっと訪れます。そんな未来を考えただけで、身が引き締まると同時に大きなやりがいを感じています」
 そう語る川原さんの眼差の先には、10年後、20年後の世界が映っているかのようだった。

body3-1.jpg東南アジアマーケットの開拓に尽力する川原大明さん

勉強会で日射の基礎を固め、太陽光発電への製品活用を推進

 太陽光発電市場では、国の後押しもあって、各地でメガソーラーの建設が盛んに進む。そんな中、同社では太陽光発電の評価システムやモニタリングシステムといった環境機器の開発・販売にも注力。これは、日射・日照測定技術を活用し、太陽光パネルの性能発揮を見極めるうえで必要となる発電量・日射量などのデータを収集・監視するものだ。同ビジネスを推進する環境機器事業部の日射計グループに所属する市毛もこさんは、メガソーラー事業者への提案活動を積極的に展開し、次々に案件を決めている。
 「当社は自らも2カ所のメガソーラー施設を建設し、自社のモニタリングシステムを活用して事業化しています。そこで得られた実践ノウハウをお客様にフィードバックできますので、お客様に納得感と安心感が違うと好評をいただいています」
今でこそエキスパート然としている市毛さんだが、学生時代に日射に触れていたわけではない。社内で行われている勉強会で日射の原理を学び、自らも専門書を読み漁り、専門知識を掘り下げていったという。
 「お客様よりも深いところまで知っていないと、わかりやすく噛み砕いて説明できませんし、お客様が何がわからないのかということにも理解が行き届きません。そのための基礎を社内勉強会で固めることができました。ただ、周りの先輩に比べると私の知識はまだまだ。日射のプロフェッショナルと認められるように、常に勉強の毎日です」
 英語や日射の社内勉強会は、実務上のスキルアップとともに、社員それぞれの意識を高めるという効果も確実にもたらしている。英弘精機のこれからが実に楽しみだ。

body4-1.jpg2,000KW規模メガソーラーへの製品納入も果たした市毛もこさん

編集部からのメッセージ

グローバルニッチトップ企業100選に選出


 環境機器事業と物性分析機器事業の両軸を展開する英弘精機。同社が開発・製造・販売するセンサーやシステム機器は、気象現象の解明、再生可能エネルギーの研究・開発、新素材研究の最前線を支えている。ニッチでありながらも世界的なニーズが高く、2014年には同社の分光放射計が経済産業省「グローバルニッチトップ企業100選」に選出されている。
 「自ら開発・販売した製品が世界トップレベルの研究に活用される手応えは、当社だからこそ味わえる特権です。自分たちがパイオニアになれるやりがいを、若い人にも存分に味わってほしいですね」という長谷川社長の言葉にも、同社の人に対する思いが表れている。
 現在、英弘精機の日本本社で活躍する社員は日本人だが、外国人社員の採用も行い人材のグローバル化を推進していくという。国の垣根を越え、グローバルニッチトップをめざす同社の挑戦は、今後さらに加速していくだろう。

  • 社名:英弘精機株式会社
  • 設立年・創業年:設立年 1927年
  • 資本金:4,000万円
  • 代表者名:代表取締役社長 長谷川壽一
  • 従業員数:100名(内、女性従業員数30名)
  • 所在地:151-0072 東京都渋谷区幡ヶ谷1-21-8
  • TEL:03-3469-6711
  • URL:http://www.eko.co.jp
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください

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