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広沢電機工業株式会社

広沢電機工業株式会社 スキルの見える化を図り、現場と研修を組み合わせて次世代への技術継承を推進

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スキルの見える化を図り、現場と研修を組み合わせて次世代への技術継承を推進

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スキルの見える化を図り、現場と研修を組み合わせて次世代への技術継承を推進

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技術継承&研磨ストーリー
スキルの見える化を図り、現場と研修を組み合わせて次世代への技術継承を推進

 約60年に渡って制御盤の設計・製造を手掛け、通信、電力、鉄道といったインフラ施設の安定稼働を支え続ける広沢電機工業株式会社。「制御技術の広沢」として培った技術は次世代へ着実に受け継がれ、現在はマイコン技術を取り入れた自社開発にも挑んでいる。その背景には、一人ひとりの成長を促す施策があった。

“スキルの見える化”を行い、制度の充実で社員定着率も向上

 ビルの空調設備や衛生設備を管理する制御盤は、製品を納品すればそれで仕事完了という性質のものではない。納品後10年、20年という長期スパンで利用されることが多いため、むしろ納品後のメンテナンスが広沢電機工業の本領発揮の場となる。当然、製品をアフターフォローするには、技術の蓄積はいうまでもなく、社内スタッフ間での技術共有も不可欠となる。
 「当社では、お客様に納品した制御盤の図面を全て電子化し、データを社内外の二元管理によって厳重に保全しています。それらを全社で共有することで、お客様からの問い合わせや変更のご要望に迅速に対応できる体制を整えています。それによって、お客様との間に“広沢に任せれば安心”といわれるほどの信頼を育み、インフラ関係の大手企業とも長年の取引を積み重ねています」と林恭生社長は、持てる技術の徹底管理ぶりを語り、それが多くの信頼を得てきたと胸を張る。技術があれば、それに見合うスキルが欠かせない。同社はそのバランスも見事にコントロールする制度も導入。それがスキルマップによる“スキルの見える化”だ。これによって個々のレベルに応じた技術を体系的に磨けるという。
 「制御回路作成能力、配線技能、ソフトウェア作成能力など、制御盤の設計・製造・メンテナンスには様々な技術が必要とされます。それらを詳細な項目に分けて整理し、自己評価と上司評価によって各項目の習熟度を採点しビジュアル化させているのがスキルマップです」
 これによって“スキルの見える化”が図られ、個々の課題が浮かび上がり、個別の課題克服に直結する技術研修やジョブローテーションが行え、また、直属の上司もスキルマップを通じて部下の弱みや重点課題を把握でき、日々の現場での育成の精度も高まるというわけだ。
 いわゆる生きた技術の継承を標榜する同社であるが、いくら技術を継承したとしても、社員が会社を離れてしまっては社内に技術が蓄積されない。林社長が「会社の両輪は人と技術」と言うように、同社は技術の継承と共に、社員が長く勤められる制度の充実にも力を注いでいる。
 「当社の理念は、『社員とその家族を第一に』です。具体的にいうと産休・育休制度、時短勤務等による職場復帰支援や社員のお子さんへの入学祝い金の支給。さらには家族ぐるみで行うバーベキューや社員旅行など、社員とその家族が安心して暮らせ、また、社員およびその家族同士が一体感を持てる取組を積極的に推進しています」
 その成果もあってか、同社の社員定着率は確かに高く、実際、出産後に子育てと両立して活躍する社員が少なくないと社長は目を細める。

body1-1.jpg社員と制御盤に囲まれて笑顔の林恭生社長(右から2番目)

メンバーと現場に同行し、現場での心得習得を徹底

 アフターフォロー部門の課長・髙木友紀さんは、勤続15年の中堅社員のひとり。新卒で入社後、制御盤の製作部門、検査部門を経て、現在、制御盤の回路やシステムの変更等に対応するアフターフォローを担当している。
 「アフターフォローの仕事は現場で全てを完結する必要があり、回路やソフトウェアの知識、配線技能、金属加工技能など、総合的な技術力が問われます。人員の手配やコストバランス、必要な工期などを見極める上でも、総合的な理解が欠かせません。製作や検査を通じて幅広い知見を養えたことが今の仕事に活きています」
 自身の成長の足取りを語る髙木さんは現在、管理業務を担うと共に、若手メンバーと日々現場に同行し、現場での技術指導を率先して行っている。指導の際に繰り返し伝えているのは、周囲への配慮と顧客への対応だ。
 「制御盤の回路変更などを行う際も、通信や交通などのインフラ設備の稼働は止めるわけにはいきませんから、稼働中の設備への配慮を最優先して作業に当たらなければなりません。また、現場ではお客様とも直に接しますので、お客様への丁寧な対応も欠かせません。技術ももちろん大事ですが、そうした現場での心得を何よりも徹底させています」
 一人でも多くのメンバーをオールマイティな技術者に育てることが目標だと話す髙木さんは、プライベートでは職場恋愛を実らせて結婚し、2児の父親でもある。奥さんは出産後も同社でのキャリアを継続しており、現在は2人目のお子さんの育児休暇中。2016年春には復職予定だという。
 「妊娠中に出社時間を遅らせてくれたり、育休後も時短勤務等で戻りやすい環境を作ってくれたり、私も妻も安心して子育てに励むことができています」
 髙木さんは照れながらも父親の優しい顔となって話してくれた。

body2-1.jpg家族揃ってバーベキューに参加し、自転車をゲットした髙木友紀さん

先輩の対応力の高さを肌で感じ、間近でスキルを吸収

 そんな髙木さんのもとで技術を磨いているのが、入社7年目の板橋卓也さんだ。板橋さんは文系出身で、髙木さんと同じく製作部門、検査部門をローテーションして基礎知識を学んだ後、一旦は営業部門へ配属となった。しかし、製造で味わったものづくりの面白さが忘れられず、技術者としての道を歩みたいと直訴。その熱意が認められ、改めて製造で技術を磨いた上で、髙木さんのチームに加わった。今はじっくりと腰を据えて技術を吸収する毎日だ。
 「現場では、制御盤の配線を組み替えたり、タッチパネルを使ってプログラミングを変更したりすることもあります。そうやって自分で手を動かし、制御盤にお客様の要望通りの動きを作り出すたびに、作り手ならではの達成感を味わっています」
 と話す板橋さん、現場経験を踏みながら着実に基礎を固めつつも、髙木さんに同行するたびに髙木さんの技術力の高さに触れ、自らの技術に満足することはないという。
 「違いが如実に表れるのは、現場対応力ですね。お客様から現場で新たな要望をいただいた時にも、髙木さんは日程の調整などを即座に行い、お客様と共に工事の段取りを進めていきます。この対応力は経験に裏打ちされたもので、全体を俯瞰して何手先までも見据えているからこそできること。私ももっと視野を広げ、臨機応変な対応ができるように、髙木さんの間近で一つひとつのスキルを吸収しているところです」
 板橋さんはスキルマップでプログラミングに弱みがあることが分かったため、設計部でプログラミングの研修も受講したという。このように現場と研修を効果的に組み合わせ、髙木さんの後押しを受けながらスキルアップに励む板橋さん。お客様から「板橋に任せれば安心」と信頼される技術者になることが目標だと、力強く語ってくれた。

body3-1.jpg髙木さんがキャプテンを務める野球チームにも参加する板橋卓也さん

経験を効果的に積み重ね、自社開発プロジェクトにも参画

 高専で電気設計を学んだ小野裕介さんは、入社2年目から設計部にて制御盤の設計・プログラミングの仕事に従事している。小野さんも同様に1年目は製作部門を経験し、その時に得たものづくりの実感が今に活きているという。
 「製造で数々の実機の組み立てを経験したことで、配線のしやすい構造や、計測類の使い勝手のいい配置など、設計段階からユーザーや後工程をリアルに意識することができています。しかも、制御盤は全てがオーダーメイド。一つひとつ経験するごとに、自分の設計スキルの幅が広がっていることを実感しています」
 経験と技術が着実に積み重なっている小野さんは、3年目の今、PLC(シーケンサー)技術を応用した制御システムの自社開発プロジェクトにも参画している。これはビルやオフィスの照明をセンサーによってコントロールするシステム。近年、同社ではこうした自社開発プロジェクトにも果敢に取り組み、消費電力を見える化する電力測定システム、無線・タブレット端末を活用した制御システム、クラウドへのデータ転送を行う装置開発など、マイコン制御技術とシーケンス制御技術との融合を推進している。
 「自分たちで試行錯誤を繰り返しながら最善を見つけていくのが自社開発の面白さ。決まったゴールがない難しさもありますが、技術者として新しい技術を追求する仕事はやり応えがあります。こうした経験を通じて技術をもっと尖らせ、自分の名前が残る製品を次々と世の中に送り出していきたいと思っています」
 部門の壁を超えた技術の蓄積、継承、そして新たな技術領域へのチャレンジ。林社長の「人と技術」に対する思いは確実に社員に浸透し、広沢電機工業の新たな歴史は確実に、そして脈々と刻まれている。

body4-1.jpg資格取得の勉強にも励んでいる小野裕介さん

編集部からのメッセージ

大田区「優工場」総合部門賞に2度選出

 1957年の創業以来、大田区に拠点を構え、動力制御盤、自動制御盤、分電盤等の設計・製造・販売・修理を一手に担う広沢電機工業。2008年には大田ブランドに登録し、2009年度・2014年度には「優工場」総合部門賞に選ばれている。これは、「人に優しい」「まちに優しい」「技術・技能、経営に優れた」工場を表彰する制度であり、2度の受賞に輝いた同社は、まぎれもなく大田ブランドを代表する1社だ。
 「私は、新しいアイデアがあれば“すぐにやりましょう!”と飛びつくタイプ。社員にも失敗を恐れず、常にチャレンジャーであるように伝えています」と言う林社長。ものづくりは日本の産業の源泉と位置付ける。「特に私たちが担う制御技術はインフラの安定稼働に欠かせないものですから、社会の一端を支えているという自負と誇りがあります」と胸を張る。大田ブランドを、ひいては日本を支える同社のこれからの活躍が楽しみだ。

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